初級教科書「道聞き」

東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。

 

日本語の初級教科書には、道聞きという項目があります。ありました、かもしれませんが。

「まっすぐ行ってください」「2番目の角を」「左に曲がってください」など。

初級はサバイバルクラスです。生き残るための日本語なのです。

ところが、いつの間にか、道を聞く人などいなくなってしまったのです。

誰もが、どこの国に行っても、スマホを使って自力でたどり着けるからです。

かつて、数寄屋橋のお巡りさんは、道を聞かれて教えるのが仕事だと聞いたことがありますが、今、お巡りさんに道を尋ねる人はほとんどいないでしょう。

テキストも時代とともに変わります。