東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
これまで、いくつかの国語辞典や類語辞典の執筆に関わってきました。
子供の頃、国語辞典が大好きだった私としては、最初の国語辞典の仕事は感動的でした。
が、用例は短くなければならず、他社と同じ用例になってはいけない、などのルールがあり、よい仕事をしようと思うと、なかなか難しいのです。
留学生に国語辞典は無意味です。
結局、言葉が循環するだけで、国語辞典は日本語がわかるネイティブのためのものだからです。
それにしても、国語辞典で何がわかるのか。
確かにざっくりと意味は書かれていますが、その語を使おうとしても、使い方はわかりません。
小中学校時代、学校でも家でも、二言目には辞書を引けと言われてきたわけですが、果たして、これで意味がわかるのか。
大っぴらには言いにくいですが、実情ですね。
「字引き」という古い言葉がありますが、結局は、漢字を確認するのが主な用途だったかなと思います。
それもこれも、今や議論が意味をなさない時代となりました。
隔世の感がある…。