東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
政治的な話ではありません。
指定されて使っている作文のテキストに、自分とは異なる意見に対して、「確かに」という言葉で一部容認し、自論を展開する、というものがあります。
面白いのは、理工学部の学生は、新しい技術に対して希望や期待を持って原子力発電には賛成する傾向にあります。資源の問題、発電の効率のよさ、経済性などを主張することが多いように思います。どんな新技術でも、最初からうまくいくわけではないのだと。
一方、農学部の学生は、農産物や、自然環境、人の暮らしを考えます。長く残る、人々の暮らしへの影響、安全性、健康の問題を考えて、原子力発電には否定的な傾向があります。
自分の専門分野の立場を身につけているのだなあと思わされ、興味深いです。
今は文系の学生たちを担当していますが、同様に、そそれぞれの専門分野から何か意見を述べることができそうです。
経済を学ぶ学生、哲学を学ぶ学生…。
さまざまな視点が議論に欠かせません。
1年生の場合、今はまだあまり専門の勉強が進んでいないでしょうけれど、挑戦してみる価値があるのではないかと思っています。