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留学生のディスカッション

東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。

 

話すクラスでは、ディスカッションで、導入として、学校に行かない宣言をしていた有名な中学生の動画を見てから、「義務教育は受けなければいけないのか」について議論しました。

ここで考えるべきは、いじめ被害者の問題は別として、社会のルールと個人の自由・多様性、さまざまな立場(本人、親、学校、国など)、といった視点です。けれども、どうも、1つのグループで、全員が学校に行きたくなければ行かなくていい、という結論があっさりと出たようでした。どうもおかしい。聞いてみると、「将来のため」ということで、子供たちが勉強に押し潰されているという、その国の事情があるようでした。涙目になって、学校に行かなければならないわけではない、と主張するのです。けれども、大学院で学んでいるのですから、日本の問題として話すのですらなく、自国の事情だけで結論を出すというのは少々困ります。広い視野を持てるといいなと思いました。

ディスカッションで、瞬時に意見がまとまるというのは、大団円のように見えますが、議論が深まっていないということでもあるでしょう。多角的にものごとを考える訓練でもあるだろうと思います。

 

活発なディスカッションのためには、自分の経験に拘泥しないことが肝要
活発なディスカッションのためには、自分の経験に拘泥しないことが肝要