東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
ESの自己PRで、自分のことを「できる人」とか「有能」とか「切れる」と書いてはいけません。
一つには、有能であるという表現で自分をアピールする文化が日本にはありません。「行動力がある」「最後まであきらめない」というような表現はできますが、「私は優秀な人だと言われています」とは言わない方がいいのです。
もう一つには、「できる」とはどういうことなのか、内容を伴っていないということがあります。あなたが「できる人」というのは、何がどうできるのか?
この2つ目の理由について、具体的に書いてみます。
「私は有能です」と書いてはいけないのはもちろんですが、「私は周囲から『有能な人』だと言われています」こちらもダメです。「有能人」とはどんな人なのでしょうか。何ができれば「有能」なのでしょうか。それが具体的になっていませんね。「頭がいい」「切れる」などという表現を使わずに、この学生はできるな、頭がいいなと、読んだ人が判断するように仕向けるのです。
状況にもよりますが、「『この人に任せておけば大丈夫』と言われる」「マルチタスクをこなすのが苦にならない」「要求以上を目指して努力する」などの表現です。どんな時に、どのように仕事をする人なのか、それを具体的にすることで、読んでいる人が「おお、こいつはできるな」と感じてくれればいいわけです。
ポイントは、どんな時に、どのように行動するか、です。この過去の経験が、入社してもそのように行動する人だと判断されることになります。
自己PRでは、冒頭で形容詞、それに類する表現を使いはしますが、どう行動する人間かということを、過去の出来事から切り取って描写しましょう。
これは、ES全般についていえることです。