東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
日本に住むようになった外国人が、久しぶりに自分の国に帰って言われることは、頭ばかり下げる、「すみません」ばかり口にする、ということです。それは、日本に慣れた証拠ですね。
ほとんどの外国人は、何か不具合があった時に、日本人はすぐに謝罪を口にすると感じています。中には、ちっとも自分が悪いとは思っていないくせに、「すみません」「申し訳ありません」と言う、という意見も聞きます。ある意味間違い、ある意味正しいと思います。
ただ、日本人もむやみやたらと謝っているわけでもありません。
迷惑をかけたことに対して、関係者として申し訳なく(気の毒に)思う、という感じでしょうか。けれども、その時に、自分のミスではないということは明示しているのです。チームの一員として、代表して謝るということが多いように思います。
ただただ謝罪をすると、ミスの責任が自分にあると言っていることになってしまったりします。自分のミスでもないのに、罪をかぶることはありません。それはしてはいけません。
相手が日本人ならば、そこはきちんと聞き分けていて、この人は共感してくれている、チームの一員としての責任は感じているが、この人のミスではないのだなということを理解しているのです。
もちろん、自分が「やらかした」場合には、誠心誠意謝りましょう。
何について謝り、何については謝らないか、それは、かなり日本語上級者でないと難しいかもしれませんね。
ただ謝っていればいいのだ、とは思わないでください。