東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
日本人はお正月にお雑煮を食べる。
とはいえ、同じ「お雑煮」という名前で呼ばれる食べ物も、これほど地域によって違うものはないのではないでしょうか。とりあえず、大別して、
スープ:澄まし汁 / 味噌仕立て
餅:四角 / 丸、焼く / 焼かない
という問題があります。
丸いお餅は、伝統的には、ついたものを手でちぎって丸めたもので、四角いものは、平たく伸ばしたものを切ったものです。
私は、澄まし汁、焼いた四角いお餅です。
お餅を入れなければお雑煮とはいえないわけですが、基本的に、西が丸餅、東は四角。あんこの入った丸餅を入れる地方もあるそうで、和菓子のように思えるあん餅を汁物の具として食事に食べるのというのは不思議な気がしますが、一度食べてみたいものです。
そして、具に至っては、それはもう千差万別です。
東京の伝統的なお雑煮は根菜が入るといいますが、私が継承したお雑煮は、おそらく母のオリジナルだろうと思います。入れるのは、
茹でたほうれん草
かまぼこ
酒・塩・生姜汁で下味をし、片栗粉をまぶしてさっと茹でた鶏のささみ
焼いた四角いお餅
結んだ三つ葉
千切りの柚子
といったところです。
名古屋では、徳川家康の倹約に倣い、お餅の他に、餅菜と称する小松菜が入るだけだと聞いていますから、それぞれの土地でいわれのあるお雑煮がありそうです。
お節料理が市販のものになり代わり、全国統一の傾向にあるのに対し、お雑煮ばかりは、各家庭で作るものなので、この地域の伝統は残るかもしれませんね。
(写真は、とりあえず、うちのお雑煮です。お餅に焼き色がついていればよかったのだけれど…)