東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
ある授業では、ディベートの準備が本格化しています。
みんなの前で話す時には、間違いのない日本語で、カッコよく話したいですよね。それで、みんな原稿を書いてしまうのですが、それはいけません。やってはいけません。
なぜなら、書いた文章は、あまりにも整然として、聞いている者の頭には入ってこないのです。自然な話し言葉は、間違って言い直したり、言い淀みもあります。緩急もあれば、内容によって声が大きくなったりもするのです。けれども、書いた文章を読む人、書いた文章を暗記してきた人の言葉には、それが一切ありません。そうすると、完全原稿を聞かされている者には理解できないのです。
発表をしようとする時に、原稿を書くのはやめましょう。
PPTなどの用意があるのが普通ですから、PPTを見ながら、アイコンタクトを取って話すようにしましょう。
あなたが発表するのですから、原稿がなければ話せないということはないはずです。心配ならば、メモを用意しましょう。原稿に目を落とすのは絶対に避けなければなりませんが、メモをちらっと見る程度なら、聞いている人たちとのアイコンタクトは取れますね。