東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
日本人のライティングクラスで、秋学期はエッセイを書いています。
描写するというのが目的です。
ところが、多くの学生にとっては、書くことがなかなか難しいようです。大学に入るまでに、書かされてきた「作文」や「レポート」は、出題者の「狙い」がある。あるいは、書くこと自体が狙いだったということか。
さらに、受験勉強に毒されているとでもいうべきか、ありもしない「正解」を探そうとしています。アカデミックライティングに比べると、自由度が高いので、より戸惑うようです。もちろん、何を書いてもいいよ、と言ってしまっては、書きたくても書けない状態になるのは目に見えているので、ある程度の「お題」は出します。そこで、友達との雑談の中から、そして、雑談の延長上に、書きたいことが見つかります。これを書きたい、これを伝えたいという気持ち。書く時には、この強い動機が大切です。
それでも、文体が硬く、専門授業で求められるレポートのようなものになりがちです。いかに、自由に書くことを、自分を表現する文章を書くことを阻まれてきたかと思うのです。書くことは楽しいと思えるようになるまでには、かなりの場数を踏む必要がありそうです。
頭の中に詰まったさまざまな思いの糸をほぐすようにして、文字にして、それが成功した時の喜び、達成感。
それを体験する授業です。