東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
ESを読んでくれるのは志望先の企業です。
手紙を書く人などいなくなりましたが、ESをラブレターだと考えてみましょうか。振り返ってもらうためには、相手の心に響く言葉が不可欠です。でも、電車の中でちょっと見かけた相手よりも、同じサークルの人など、よく知っている人になら、その人の心に響く言葉を選ぶことができるのではないでしょうか。Aさんに出してもいいし、Bさんに出してもいいし、というオールマイティな言葉なら、Aさんの心も、Bさんの心も動かすことはできないでしょう。相手をよく知っているからこそ、その人の心を動かすのです。そして、相手があなたにさほど関心を持っていないなら、最初の心動かされない1行を見たら、最後まで読んでくれないかもしれませんね。
どんな自分を見せるかは、相手次第で変わってきます。相手の心に届くためには、オールマイティな言葉では失格です。
相手の印象に残り、相手を振り返らせようというのなら、相手をとことん知ることです。その業界のこれまで、現況、課題などです。今の社会状況に即した、その企業が向かうべき先を見通す必要もあるでしょう。そして、それは、業界だけでなく、その企業についても、同様のことがいえるはずです。
要するに、相手を知らずして、伝えられる言葉はないということです。競合する企業についての研究も怠りなく。