東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
高校までの勉強と、大学の学びは何が違うのか。
もう、この「勉強」と「学び」という語に何か違うものを感じませんか?
高校までの勉強は、多くの場合、大学に入るための忍耐の日々だったことでしょう。けれども、大学では、好きなことが学べるのです。これは実に楽しいことです。おそらくは、希望しない学部に入学することになったとしても、その範囲の中で、自分の興味が持てるものが見つけられるのではないかと思います。(転学部、受験のやり直しもありです。)
大学でも、もちろん、先人の残したものを追いかけることから始まります。例えば、私が今、何かに興味を持ったとして、すでに出版された書籍や、過去の新聞を読み漁っても簡単には得られないものがあるのを感じます。自分が学んできた分野についての知のレベルに追いつくのは時間がかかる。それは、体系的な学びの有無なのだろうと感じています。
大学は、体系的な学び、全体を俯瞰することを教えてくれるところなのではないかと思うのです。そして、学ぶ方法を会得する。論理的に考え、表現するすべを獲得できるでしょう。
大学は、待っているところではなく、取りに行くところです。何かを得ようという心意気の有無は結果を大きく分けるだろうと感じます。
実際には、私も含め、多くの場合は、過ぎ去った時を顧みて、大学の意味を知るのですけれど。一般教養科目の生物の女性の先生が、女子学生に発破をかけていたのを思い出しますが、私もそんな年になったでしょうか。