東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
本文と比べた時に、アウトラインの書式について、気がつくことはいくつかあります。
本文とアウトラインを並べて見せながら、質問すると、「簡潔である」「文が短い」など、大学生らしいレベルの答えを探していると感じられます。けれども、実は、幼稚園の子供でも気がつくようなことを尋ねています。
それは、アウトラインには、白いところ(余白)が多い、記号が使われている、数字(ナンバリング)が使われている、読点(、)はたまにあるけれど、句点(。)がないなどです。PPTとも共通することが多いですね。
ひと目でわかる、視覚的である、ということが言えるだろうと思います。要約に近い、という答えもよく聞きますが、簡潔にするということは、要約になっているといっていいでしょう。それを、視覚的に表現すると、「ひと目でわかる」という状態になります。
あと、付け加えたいのは、行頭の位置です。1行のどこから文字が始まっているのか、ということに意味があります。1行の最初の部分から始まっているのか、あるいは、1字下げ、2字下げなのかという点です。目次の章、節のようなものだと考えてもらえればわかりやすいのではないでしょうか。
ハンドアウトの場合、多色にしたり、太字や斜字、アンダーラインを多用するのは感心しません。見た目がうるさく感じられるのと、強調というのは、あちこちを強調して力んでも無意味になってしまうという点でしょうか。