東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
時折、大学で、単位が出ない科目を担当することがあります。
単位がなくても、履修する人は、やる気があるのだろうと普通は考えます。誰も彼も履修を義務付けられている必修科目と異なり、やらなくても済むことを頑張ろうというのは、よほど気概があるのだろうと思うものです。それはそれで間違いないのですが、単位という縛りがなければ、半分ぐらいの人がフェイドアウトしてしまいます。研究室が忙しくなってきたから、学会発表の準備があるから、実験が…理由はいくらでもあり、それは事実だと思います。けれども、単位があるからこそ、出席をし、宿題を提出し、 テストの点数を気にするのだなあと感じるです。単位がなければ、初日、やる気満々だったとしても、いつの間にか竜頭蛇尾になってしまうのです。
気持ちだけでは続かないのを実感します。人間の意志は弱い。縛られることがないと、やる気は続きません。それだけ語学の習得は、時間もかかるのでつらく、頓挫の理由には事欠かないということです。目にみえる、具体的な目標が必要なのでしょう。
お金を払っているから、単位が必要だから、という理由は必要なのだなあと思うのです。