東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
就活の支援をしていて、私が採用担当だったら、この人が欲しいと思う学生が時々います。
おそらく、それは人間関係の基本中の基本だと思うのですが、信頼できる人です。どんな人が信頼できるのかというと、やると自分で言った言葉を守ることができる人です。多くの人は、やりますと言っても、それはその場の言葉であって、忘れてしまったり、その気持ちが続かなかったりするのです。正直なところ、経験的に、学生の言葉はまず信頼できません。言葉通りにやったとしても、偶然とか、タイミングがよかったのか、という程度で、多くの場合、思い出されもしないのです。当然のことながら、本人としては、嘘や適当なこと、その場限りのことを言っているつもりはありません。その時には、確かにそういう思っているのです。けれども、多くのことに興味があり、忙しく、あるいはたくさんの誘惑があって易きに流れるのです。ああ、これは学生のみならず、誰にでも当てはまることですね。学生がそうだったとしても、それは普通のことで、特に残念なことだとも思いません。
けれども、ごくたまに、本当に、忠実に、自分の言葉を実行する人がいるのです。やると言ったからにはやる。これは、驚嘆に値します。そんな人は、流されない堅固な意志と、粘り強さ、誠実さを持っています。不器用な人であっても、確実に成長する人です。この人には任せられる。信頼できる人です。
学生の国や地域によらず、信頼できる人は少ないと感じさせられます。貴重な人材です。