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本を丸ごと速読できるのか

東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。

 

時折ブームが来て、速読の本が本屋さんの新刊書コーナーに並びます。昔から、速読はブームではあるのでしょう。

本当に丸ごと本1冊を数分で読むことなどできるのか?結論から言って仕舞えば、できると言えばできる、できないと言えばできないのではないかと思います。

ある意味、日本語では、表意文字の漢字がありますから、一瞬のうちに、1秒も経たずに、何が書いてあるのかわかる面があります。スキャニングと言われる情報を拾う読み方ならある程度はできそうです。けれども、文末表現にはグラデーションもありますから、そんなに簡単に筆者の意図や主張を汲み取れるとは思えません。

直感というのか、人の話を最後まで聞かずにわかった気持ちになるようなものではないかと感じています。少なくとも、読解力とは無縁なのではないでしょうか。

単純に、書籍のページ数の多さ、内容の濃さ、書籍として店頭に並ぶまでの労力と時間を考えた時に、本を読むとは、時間をかけてじっくり取り組むべきものではないかと感じます。

本を読むことで対話し、知識や思索を深めることは知への入り口です。

速読?いや、じっくり本の世界に浸ろう
速読?いや、じっくり本の世界に浸ろう