東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
咳がひどい学生が何人かいて、ある時、まさに隣にいました。持っているマスクを取り出すべきか一瞬迷いましたが、本人を目の前にして、それはできませんでした。かつては、そんなことも想定して、最初からマスクをつけている、外さないということを徹底していたわけですが、このところもう平常に戻っているとの意識があり、そのままにした結果感染に至りました。甘かった。でも、語学クラスで、教師の表情が見えることも大事だし、何よりも、あの時、赤の他人でもない学生を前に、咳する姿を見て、マスクを取り出すことはやはりできなかったのです。
思えば、ダイヤモンドプリンセスの頃、改めてカミュに『ペスト』など読み返し、今回、日本の人口の何割が減るんだろうかと思い、自分も今年(2020年)コロナで死ぬんだなと覚悟していたのですから、今や概ね軽症となっているコロナにかかるのは、ありがたいことなのです。
知人は、私のコロナにかかった話を聞いて、「これでコロナにかかっていない人はいなくなったね」と言っていました。そんなはずはないと思うけど。
ともあれ、大学で仕事を得ている者は、当初から、大学という場所の特殊性を痛感し、各自が非常に警戒していたものです。大学には、まだまだコロナから触れられずにいる社会人がいくらでもいると思いますよ。