東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
学部の1、2年生の人たちから、大学院に進学したいという話をよく聞きます。
もしも、あなたが文系で、日本で就職を考えているのであれば、大学院に進学した人がどのような就職をするのか、よく検討してみるべきだろうと思います。
いずれは母国に帰るのでしょうから、母国での仕事を考えた上での大学院進学ということなのだろうと推測します。ただ、帰国の前に、日本で就職をするのであれば、慎重に考えるべきではないかと感じます。というのは、日本でも、前期課程、後期課程の学生の場合、用意されている年収は学部生に比べて高くなります。けれども、日本はジョブ型の採用はまだまだ少ない国であり、入社してから「育てる」システムです。何を専攻していたかということはさほど重視されていません。入社する時点で、何ができるのかは問われません。そうすると、大学院の2年なり、5年なりがどう評価されるのかということを考えるべきなのです。
つまり、学部生と、前期課程の学生のどちらを採用するかとなった場合、企業としては費用対効果ということを考えるはずなのです。専門職でもなければ、個人的な資質(コミュニケーション能力など)を見て、採用が決まるでしょう。それは、学びの期間が長かったからとか、何を専門に研究していたかということとあまり関係ありません。企業にとって、高い買い物になってしまうのであれば、あまり得策ではないかもしれません。
単純に、大学院生の方が年収が高いから、と考えるべきではありません。
これは、文系の場合です。そして、研究者を目指しているなら、もちろん、進学一択です。