東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
東アジア出身の学生たちの話ですが、みな一様に、小学生の頃、読書感想文を書かされて、本を読むことも、書くことも嫌いになっています。
嘆かわしいことです、今も変わらず、こんな課題が出されていることが。
作文クラスで、私がいつも心がけるのは、テーマに関心が持てること、意見を表現したくなることの2点です。子供達が、関心もない本を1冊読まされるだけでも苦痛です。本を読む機会をつくろうという意図だったかもしれませんが、現実には、本が嫌いになる機会となっています。本を手に取ることがなくなるなら、kろえは大きな損失ではないでしょうか。評価する側としては、どれでも好きな本を、とは言えないのでしょう。けれども、読みたい本があるからこそ、意見も持てるのです。読め読めと言っても無駄で、読みたくなる環境ができるといいのにと感じます。
そして、さらに、読んだからといって、その上に書くことを求めるのは子供達にとって過酷だと感じます。普段本に親しんでいない子供が本を手に取り、1冊読了するのは忍耐のいることであるのに加えて、書くというアウトプットは非常にハードルが高いのです。
本の世界は面白いんだよ、知るって面白いよ、と言いたいです。