東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
大学で、ほとんどの語学の教員は、小刻みな試験をして、真面目に取り組んでいるなら、まあだいたい単位が取れるような評価基準を採用することが多いようです。
ある意味、語学の習得にはかなり適性というものもあるため、結果(実力の伸び)だけ求めるというよりは、真面目にやっているなら単位はそこそこあげましょう、という考え方です。
ところが、ある外国語クラスで、評価基準が期末試験100%だという話を聞いて、そこにいたさまざまな言語の教員はみな凍りつきました。期末試験一発で評価?それって…。
語学は、一朝一夕に習得することはできず、不断の努力が必要なので、小刻みな課題、小テストを行わないと、取りこぼし(不合格者)を出してしまうということになります。最終的に到達点に達したかどうかということだけを求めると、何割の学生が不合格になるかわからない。期末試験で100%という評価基準がおかしいわけでは決してありませんが、うちのクラスだとほとんどの学生が合格できなくなる、とそこにいた語学教師は感じたのです。そこまでの勇気がない(そんなに不合格者を出す勇気がない)と口々に言いました。教師の力量の問題なのかもしれませんが。
けれども、なんとか最後まで頑張ることができて、なんとか合格できるようにと考えているのです。語学学習者が嫌いな課題・小テストの類は、実は教師の親心なのです。