留学生の就職・「ガクチカに書ける内容がない」
東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
「ガクチカが書けない」
それは、文章化以前に、ガクチカに書くべき内容を持っていないから。
本来、どのように学生時代を過ごしてきたのか、あなたが自分の人生にどう取り組んできたのかを表すのがガクチカです。
ESを書く時になって、慌てないようにしましょう。
時間がかかります。
目次
ガクチカに書ける内容がない
大学の評価と社会(企業)の評価は異なる
日本社会を知らない
主体的な学生生活だったのか
「使える人」になる
一朝一夕にガクチカは作れない
ガクチカに書ける内容がない
ESを見てくださいと言われて、しばしば驚くのは、ガクチカが書けない、それも、文章を書くこと以前に、書くべき内容を持たないということです。
このような人には、2種類あり、怠惰に消極的な人生を過ごしていた人、そして、勉強だけに専念してきた人です。昨今、経済的に豊かな留学生が増え、アルバイトをする必要もなく、面倒を避けて学内にとどまる人が多いように見受けられます。
日本人学生の場合、ガクチカで書くのは、部活とアルバイト、ほとんどこの2つに限定されます。あまりにも当たり前で書くに値しないと思うかもしれません。けれども、学生がやっていること、やれることは他にあまりないのです。そして、それでいいのです。その中から、壁(困難)を乗り越える経験を書くのです。
大学の評価と社会(企業)の評価は異なる
漫然と、何をするでもなく、学生時代を過ごしていた人は論外です。帰国を余儀なくされるでしょう。
警告したいのは、真面目に勉強している留学生の場合です。学外との接触がなかったり、人間関係が希薄だったりする現実を見ます。そして、とりわけ理系の院生だと、研究室に籠り、実験で時間がないため、アルバイトもしていない、趣味もないということが多いのです。勉強だけをしてきた人生だと、本当に趣味がなかったり、「挫折の経験もない」と言い切れる人がいます。大学という場では、確かに、勉強に専念することが求められています。けれども、社会は、就活では、そうではありません。GPAがよければ就職できるということではないのです。大学が評価することと、社会が評価することは基準が異なると言うべきかもしれません。研究職を目指す人であっても、できたら、研究以外の別の面を見せたいところです。
日本社会を知らない
大学と自分の住まいを往復しているだけの人には、確かに、ガクチカで書く内容がありません。同じ出身国の学生と付き合うだけではガクチカが書けません。日本社会を見ていないからです。あなたが旅行者ではなく、日本で暮らしている以上、日本社会や日本人を深く理解することがなければ、何の意味もありません。留学して外国で過ごしているのですから、その国を知ろうとすることは当然のことではないでしょうか。部活でも日本人学生と交流が生まれるはずですし、アルバイトが接客業ならば、日本人のクレーマーと会うことになるかもしれません。学生生活を主体性をもって有意義に過ごしていれば、必ず、何か書けるものがあるのです。学生時代に大学の内外で、日本社会の一端を見、日本人と触れ合う中で、何かを学んでいるはずです。それなくして、留学の意味があるでしょうか。日本社会や日本人と触れ合う経験の中で、どんな壁(困難)にぶつかり、その時に何を考え、どんな工夫・努力をしたのか、何を得たのか、それが見たいと企業は言うのです。
主体的な学生生活だったのか
もしも、あなたが、自分の大学生活と、自分の人生に真面目に取り組んでいるならば、それはさほど難しいことではないはずです。けれども、「ガクチカに書けることがない」と言われることがあまりにも多く、日本で就活をするとわかっている1、2年生の場合には、ガクチカに書けることを「作る」必要があるのだろうかと感じます。本気で内定をもらって日本で就職したいならば、考えるべきでしょう。
ガクチカの準備を始めましょう。ガクチカを「作る」のに時間がかかります。半年ぐらいはかかると思ってください。とりあえず、大学の勉強以外に、意識的に、積極的に日本社会や日本人と関わり、学びを得る、自分が変わる、それを目指しましょう。
「使える人」になる
起業した人はポイントが高いのですが、それはあまり一般的ではありませんね。問題は、何に注力し、そこであなたが何を感じ、考え、成果を上げるための努力をしたか、ということなのですから、これはある期間を必要とするでしょう。アルバイトやボランティアをしていても、与えられたことだけをこなしている人には、結果的にガクチカで書けることはないかでしょう。漫然と過ごすだけならば、「使えない」人と判断されます。あなたが、自分の人生に対して、どれほど積極的になれるかということが問われているように思います。
起業した人はポイントが高いのですが、それはあまり一般的ではありませんね。問題は、何に注力し、そこであなたが何を感じ、考え、成果を上げるための努力をしたか、ということなのですから、これはある期間を必要とするでしょう。アルバイトやボランティアをしていても、与えられたことだけをこなしている人には、結果的にガクチカで書けることはないかでしょう。漫然と過ごすだけならば、「使えない」人と判断されます。あなたが、自分の人生に対して、どれほど積極的になれるかということが問われているように思います。
一朝一夕にガクチカは作れない
ガクチカは、「学生時代に力を入れたこと」です。その中で、壁(困難)にぶつかり、どう考え、行動して解決に向かったか、何を得たかを書くためには、時間が必要です。1回限りのことでは、あなたの資質があらわれたエピソードにはなりません。成功体験であっても、それが偶然の賜物ではないということを証明する必要があります。
だから、半年以上はかかりますとお伝えしたいですね。
あなたが気づかない、「あなただけのガクチカ」を掘り起こすこと、そして、それを効果的に、価値あるものとして表現する方法を、経験豊富な講師と一緒に作っていきましょう。