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就活スケジュールを把握しよう

留学生が日本で就職できない理由(2)

就活開始時期が1年遅い

留学生の就活開始は、日本人学生に比べ、やや1年遅い
留学生の就活開始は、日本人学生に比べ、やや1年遅い

日本語のタネ代表の糸川優です。

日本の採用は、ほぼ新卒一括採用です。

卒業後の4月に、採用した新入社員が働き始めます。

そのために、学部生ならば、3年生の6月ごろから就活が始まるのです。

 

目次

留学生は就活時期が遅い

日本の採用はメンバーシップ型

実際の就活開始時期

日本の就活は時間がかかる

スケジュールを把握しましょう

留学生は就活開始時期が遅い

 

日本での就職を望みながら、帰国する結果になる留学生が多いのは、日本の就活の仕組みがわかっていないという理由が考えられます。

まずは、日本の採用について理解しましょう。

 

 

日本の採用はメンバーシップ型

採用の形態として、ジョブ型とメンバーシップ型があります。 日本は、メンバーシップ型が主体のため、多くの場合は、入社した段階で、何かができることを求めていません。もちろん、技術職・研究職はこの限りではありませんが、ほとんどの採用は、ポテンシャルを見て採用すると言われ、入社してから育てていくのです。部署に関しても、研究職などは別として、あちこちの部署を異動しながら経験を積み、幹部に登っていくイメージです。だから、新卒一括採用なのです。大学を卒業した若い人材を、「うちの社員」として育てていきます。 そうなると、採用後の入社時期も、必然的に、4月になります。秋採用もないわけではありませんが、非常に少なく、秋卒業の人は、翌年の春採用と同じ扱いとなることが多いようです。

 

実際の就活開始時期

さて、すると、4月入社の新卒を採用するために、在学中から就職活動が始まることになります。たいていの場合、3年生の夏、秋冬にインターンシップがあり、それは、昨今必須と言われています。3年生の夏にインターンシップに参加するためには、6月ごろからインターンシップに応募するための書類作成が必須となります。これは、ほとんどES同様のものです。そして、3年生の秋には、企業説明会が始まります。説明会に参加しなければ、エントリーシート(ES)を提出することができません。そして、ESを作成し、OBOG訪問をします。4年生になる頃には、面接も本格化してきます。その間には、webテストがあり、OB OG訪問もしなければなりません。

 

日本の就活は時間がかかる

このように、日本の就活には、とても時間がかかるわけですが、それは、定年まで働いてもらう人材を見極めるためのものです。これは、会社で育て、定年まで勤め上げるという終身雇用だった時代の名残(もちろん、今は、転職も珍しいわけではなく、中途採用もあります)と言えますが、日本の企業は、採用にお金も時間もかなりかけているというわけです。

そのため、学部生なら、3年生には、履修する授業数が多いと準備が手薄になります。修士の学生の場合には、入学した途端から、就活を意識して動くことになります。昨今、夏インターンシップはほとんど選考に結びついているため、履修している授業が多くて身動きが取れなければ、出遅れてしまうことになります。

 

スケジュールを把握しましょう

このように、就活のスケジュールはかなりタイトな状態で、年々早くなる傾向も見られます。この就活スケジュールに乗り遅れると、まずアウトだと思ってください。

学部生で、4年生の秋に、突然翻意して、日本で就職したくなる人もいるのですが、それはもう無理です、諦めてください。

 

 

留学生の就活がなかなか結果を出せないのは、就活開始時期が遅いことも理由の一つです。 納得のいく就職をするためには、スケジュールをきちんと把握し、早めの準備をお勧めします。