東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
CEFRという国際的な言語の基準について聞いたことがあるでしょうか。
画像を見てください。概ね、Aは初級、Bは中級、Cは上級と言っていいだろうと思います。この中で、一般的に、B2以上が「仕事ができる」レベルと言われています。 日本語の実力を示す試験としてJLPTが知られていますが、書く試験、話す試験がなかったでしょう?この試験は、運用能力を測るテストではありません。つまり、知識のみであり、日本語が十分に使えるかどうかについては何も証明できないのです。
CEFRの表を見てわかるのは、何ができるかを基準にしていることです。学習した言語を使ってできることがないならば、何の意味もなさないということでしょう。
実際に、N1を持っていても、日本語の実力が不足していて、就職できなかったという話はよく耳にします。多くの場合、就活を始めてみて、日本語の実力が足りないとわかるのですが、それでは後の祭りです。JLPTを過信してはいけません。JLPTのN1で大学に入れたとしても、就職では通用しません。
面接官は、少し話しただけで、仕事で使える語学力を持つ人材かどうかを判断します。そのせいか、JLPTを採用基準にしない企業も多いのです。面接官が一番、JLPTのN1を持っているということが当てにならないことをよく知っているのではないでしょうか。
だから、「日本就職にN1があれば大丈夫?」の答えは、「No」です。
画像は、文科省(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/091/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2018/07/27/1407616_003.pdf)から引用